秋田県にある世界遺産二つ!
ご存じですか?
一つは自然遺産の『白神山地』。
もう一つが、文化遺産の『北海道・北東北の縄文遺跡群』です!
鹿角市(かづのし)の「大湯環状列石」は、世界遺産『北海道・北東北の縄文遺跡群』の中で、たった二つしかない〝特別史跡〟の一つ。
もう片方は、青森県の「三内丸山遺跡」ですね。
でも、特別史跡って、何でしょうか?
「大湯環状列石」って、どんな遺跡?
そんなわけで2023年9月3日、大湯環状列石に行ってきた!
特別史跡「大湯環状列石」とは
特別史跡とは何か?
文化庁の主張は、ちょっとわかりにくいですね。
簡単に言い換えると――。
重要な遺跡だよ!
その中でも特に大事だよ!
遺跡版の「国宝」みたいなものね!
ってことです。
2024年現在、日本全国合わせて63件!
内訳を見ると、古墳とか寺院跡、城跡などが多いですね。
その中でも秋田にあるのは、たった一つ!
大湯環状列石です。
一つの名前で二つの〝環状列石〟――つまり、ストーンサークルが入っていますよ°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°
環状列石ということは、ほとんどは縄文時代後期の頃。
ちなみに、例外的な晩期の環状列石としては、青森県に良い遺跡があります。
大湯環状列石と同じく、世界遺産『北海道・北東北の縄文遺跡群』より……「大森勝山遺跡」ですね。
でも、これは本当にレアなんです。
普通は〝環状列石〟と言えば後期、寒くなってきた頃なんですよ。
それぞれの環状列石やその他の遺構については、これから現地で見てきましょう(((o(*゚▽゚*)o)))
まずは現地まで……駅から歩いてみた!
初めに言っておきます。
大湯環状列石は、鉄道の駅から歩いて行くような遺跡ではありません。
一時間掛かるのでね。
バスあるし、バスがおすすめです。
でもせっかくなので、歩きたいじゃん?((
それに正直、バスって本数限られるんですよ。
よって、十和田南駅から歩いてみました!(((o(*゚▽゚*)o)))
あんまり写真は撮っていなかったですけどねww
閑散とした十和田南駅……そこから真っ直ぐ進んだ先、間もなくT字路に突き当たります。
上の写真の山は、その辺から撮った気がする……たぶんw
良ければ探してみてください(笑)
そこから更に、長閑な十字路を右に曲がり……大通り――かな?
車は少ないけど割と大きな通りに出ます。
ファミマがあったので、休憩に入りました。
ご飯が欲しかったし、トイレに行きたかったからね……。
で、そのラインナップを見て、寂しい気持ちに……。
だって……。
一品目につき、一つくらいしか、商品が無い。
つまり、おにぎりならおにぎり一つ。
お弁当なら……お弁当一つ。
ツナマヨやシャケと昆布と梅を、悩むような余地はありません。
でもね、トイレは凄く広かった。
荷物を置く台が、とても広かったの。
ありがたいけど……。
赤字、だろうな(´・ω・`)
あんなに棚が閑散としたファミマは多分、初めて見ました……。
まあ、そんな感じの広々とした地域です。
更に歩いて、歩いて……ほとんど曲がらずほぼ真っ直ぐですよ。
施設らしい施設も無い田舎道。
ファミリーマートを逃していたら、飲食店なんて見つからなかったことでしょう。
一応民家はありますが……。
すたれゆく町、のように見えますね(´・ω・`)
鹿角市は名前こそ市ですが、人口密度ではかなり低そうです。
田畑の間を抜けるようにして、舗装された大通りを歩いて行くと……。
ふと、目に入りました。
おお……。
ふつーに歩いていたら、いきなり目に入る左右の環状列石!
特別だけど特別じゃない、延長線上の未知の世界。
自分の足で歩いたからこそ、地続きの異世界が静かな興奮を呼ぶのです。
これは、徒歩で味わえたからこその感動ですよ!
そして、間もなく大湯ストーンサークル館が見えてきます。
こうして歩くと、まちの様子がしみ込んでくる気がしますね。
地図感覚や道中の施設はもちろん、五感を通して空気を肌で感じられるのが良い。
土地そのものが広いので、歩いていても開放的な気分になれました(((o(*゚▽゚*)o)))
さて、大湯ストーンサークル館に、到着です。
天気は適度な曇り空。
この日は……2023年9月3日、まだまだ残暑の季節ですね。
ありがたい天候です。
でもせっかくなので知識をつけたい。
とっくに営業開始していますし、先に建物に入りましょうか(((o(*゚▽゚*)o)))
大湯ストーンサークル館を一通り見る!
遺跡ガイダンス施設の「大湯ストーンサークル館」は、有料展示のある施設です。
でもこれ、見てください!
無料エリアだけでも、こんなに充実しているのです(((o(*゚▽゚*)o)))
本がたくさん……それに、右奥にも通路があって、本棚の向こうまで続いているのです。
真裏は、机が並べられていたっけかな。
右を向けば、カウンターの向こうにこんなポスターも。
知識欲を満たしながらも、デザインセンスも感じる……。
そんな空間でした。
ちなみに、ロビーでは映像展示もありますよ!
もうこれ、お金払わなくても大満足じゃないですか?
まあ、払いますけどね!
トイレの前の自販機まで、こんな感じ。
おお……。
「特別史跡 大湯環状列石」って、書いてある!
これは、大湯環状列石オリジナルの自販機ラッピングですね!
こんなものまであるとは、好奇心を刺激してやみません(((o(*゚▽゚*)o)))
じゃあ有料展示室も行きましょう。
入場料金は……大人個人、320円ですね。
行ってきました。
感想は……。
やはり特別史跡、広くて展示も豪華ですね。
建物の外観と違わず、展示の中身も温度を感じられて楽しかったです。
ただ……写真を全く撮っていなかったのです(泣)
検索して出てくる写真って、自分で撮ったものほど感触が思い出せないので……。
有料施設でも、自分用に写真は撮るべきですね(。⌓°꒷꒦⎞
ともあれ、大湯の基礎知識は得られました。
ここでは、無料ガイドツアーの告知もされています。
私はたっぷり時間があったので、まずは自分で見に行きましたよ!
でも、そこまでするのはだいぶ物好きだと思います。
面倒になってしまう前に、ぜひ頼んでみては(((o(*゚▽゚*)o)))
てなわけで、とうとう遺跡へ……!
まずは「万座環状列石」から見学するよ
「大湯環状列石」というのは、一つのストーンサークルの名前ではありません。
たくさんの建物に囲まれたこちらが、大きい方の「万座環状列石」。
道を歩いていて最初に目に入ったのが、「野中堂環状列石」ですね。
そして、この二つを主体にしたのが「大湯環状列石」です。
正確には、周辺の配石遺構や建物跡も含めての構成資産名――または、特別史跡名ですね。
では、「万座環状列石」の方から見ていきましょう(((o(*゚▽゚*)o)))
今回案内をしてくれたガイドさんは、無料ガイダンスだと思えないほど知性にあふれた方でした。
知識量も申し分無く、案内人としてのユーモアも持ち合わせている。
こんな素敵なご縁があるとは(*˙꒫˙* )
ありがたいですね。
でも、意地悪なのです!
例えば……。
こんな看板があります。
世界遺産『北海道・北東北の縄文遺跡群』の構成資産では、よく見るやつですね。
ガイダンス施設である「大湯ストーンサークル館」から、ほどない道沿いに建てられています。
ここが遺跡への入口、と考えて良いでしょう。
この左側に、石畳の道が延びているというわけですね。
ガイドさんは言います。
曰く、これは、世界遺産『北海道・北東北の縄文遺跡群』における、共通のデザインの看板であると。
曰く、上部の赤いアイコンに「縄文」とあるのが、この世界遺産のロゴであると。
さて、このロゴには数々の意味が隠されているのだが。
「もちろん知ってますよね?」
――突然話を振られました。
よどみない説明を聴いていたのに、振られたいくちゃんは挙動不審です。
「え、あ、え、はい」みたいな感じで、慌てて答えれば、「完璧です!」と言われました。
や、あの、まだ説明が途中――。
……はい、以前、他の記事でも書きました。
こちらのロゴは、コンペで選ばれたものでしたね。
中心の赤い部分は、縄文土器の形を表すだけではありません。
上側が北海道、下側が北東北の形をアレンジした地図でもある。
そしてこの〝赤色〟すらも、単に目立つ色を選んだわけではない。
縄文と言えば、漆工芸。
その漆塗りで使われたベンガラの赤色が、ここに用いられているのです。
漆や漆器は、英語でjapanでした。
「JOMON JAPAN」の単語は、〝日本の縄文文化・漆〟とでも言うかのような、掛詞を体現しているのです。
凄いですよねぇ。
……いや、普通知らないからな!?
でもなんかこう、「知っていますよね?」なんて急に振られたら、知らないと劣等生みたいな気分になりますよね!?
いじわるですよね!。゚(゚^ิД^ิ゚)゚。
「わかりませんよ!」って返しても、全然問題ない言葉だったのでしょう。
しかし私は、必死になって答えてしまったのですww
でも、楽しい案内をしてくれますよ!
何より博識なのが、ガイドさんとしてはありがたいですね。
入口にはこんな石碑もありますよ。
これについても、しっかりと解説いただきました、が……。
あの、これ、本当にどうしようもないですね。
訪問したのは、2023年の9月……。
2025年の1月の今、どれだけ思い出せるかという:(´◦ω◦`):ガクブル
次からは、ガイドツアーは録音しようと思いました(。⌓°꒷꒦⎞
こんなことばかりのフィールドワーク。
今の私が確実に言えることは、後から調べてわかることのみです。
この石碑が建てられたのは昭和12年、遺跡発見の6年後だとか。
発見2年後に設立された「大湯郷土研究会」が、遺跡の保存を訴えたものです。
当時、「中通遺跡」というのが、この一体の遺跡の呼び名でした。
「大湯環状列石」ではないのか、と思うかもしれません。
でも、「大湯環状列石」の名前が出てくるのは、もっと後のようですね。
28年に書かれた国営調査の報告書で、「大湯町環状列石」が使われたようです。
まだ微妙に名前が違いますね。
遺跡の名前って、案外流動的なのかもしれません……。
さて、いい加減行かなければ。
看板と石碑の間の道がこちらです。
良い木漏れ日ですね。
特別史跡としての「大湯環状列石」の石碑もあります。
オォ(*˙꒫˙* )
特別史跡の名前は、世界遺産と同じなんですね。
先に進みましょう。
木々の間を抜ければ、そこは既に遺跡の原っぱです。
多くの本物や、再現された立体表示が遠目に映ります。
ここの環状列石は、レプリカではなく本物を展示していますよ。
青森県弘前市の「大森勝山遺跡」では、レプリカに拍子抜けした人もいたかもしれませんが……。
本物をこそ見たい、という欲求にも応えてくれます。
それでいて、レプリカが無いとよくわからないという人にも優しいです。
下調べ無しの一見さんでもご安心。
早い話が、わかりやすく見ごたえあり。
いくちゃん自身は、本物が地中でも何も気にしないのですが……。
それが少数派なのは、間違いありません。
ここは、過度な再現を抑えながらも、わかりやすさに気を配っています。
その一例がこちら。
手前の看板に書かれているのは、「五本柱建物跡」です。
これ、建物なんですよ。
……柱しか見えませんね?
もちろんこの柱は、復元です。
縄文時代から今までずっと、残っていたわけがありません。
でも、復元途中でもないですね。
……実は、どんな建物だったのか、まだしっかりとわかっていないのです。
そこを想像で保管せず、しかし建物があったことはわかるように。
折衷案とも言えるでしょうか。
正確性にうるさい歴史オタクや学者にも配慮しつつ、直観的にわかりやすい展示も実現する。
これが一つのスタンスの表れでしょう。
あれ?
じゃあ、最初の写真は何なのでしょうか?
ほら、これ、屋根が付いていますよ。
いくちゃんは疑問に感じたので、ガイドさんに聞いてみました。
この建物は、本当にこんな屋根がついていたのかと。
やっぱり、100%確実なことは言えないみたいです。
ただ、茅葺の痕跡は出ているようですね。
つまり、岩手県一戸町の「御所野遺跡」のような、土屋根ではなかったと思われます。
復元――立体表示とは、どこの遺跡でも悩みの種ですね。
ほらほら、いっぱいありますよ。
写真映えもしますね。
これらの建物、どうやら一種類ではないようですよ。
いくちゃんも詳しく覚えていないので、ぜひ現地で確認してみてください。
ガイドさんも教えてくれるはずです。
あ、写真の右手にあるのが、展望スペースかな?
台の上から「万座環状列石」を見られますよ。
それから、特徴的なのが……。
万座環状列石のすぐ近く。
大きなクリの木です。
豊作でたわわに実った栗が、日差しを浴びて輝いています。
ガイドさん曰く、実る年はいっぱい実るけど、ダメな年は全然だとか、
極端なんですね。
2023年は栗が豊作の年だったようで、道を歩いていても重そうな枝をよく見かけたものです。
ここでもそれは変わらず……と。
縄文遺跡とクリの木は、切っても切り離せない関係にあります。
狩猟採集で有名な縄文人も、クリの木を植えて育てていたと言われるんですよ。
クリの木は照葉樹なので、縄文人が切り開いた場所に植えるとよく育つのです。
この原っぱで日を浴びる姿からも、ありありと想像できますね。
……逆に、ちゃんと世話をしなければ、いずれは他の木々に飲み込まれてしまいます。
お世話ありきのクリ林、というわけですね。
この辺に興味のある方は、おすすめの本がありますよ(((o(*゚▽゚*)o)))
タイトルに「植物誌」とある通り、クリの話だけではありません。
〝縄文時代〟の名前にも象徴される〝縄〟が、何で出来ていたか知っていますか?
知らなければ誰も思いつけないような予想外の答えが、この本には書かれています。
世界遺産のロゴにも採用されている漆工芸の〝ウルシ〟は、どこ生まれだと思いますか?
日本でも中国でもない第三の答えを、この本では提示してくれています。
どれを取ってもとても面白い!
元々はネット連載のコラムを再編した本です。
初心者にも読みやすい軽快なタッチで、誰にでもおすすめしやすい本ですよ(((o(*゚▽゚*)o)))
……さて、「野中堂環状列石」の方も見に行きましょうか。
「野中堂環状列石」も見逃さず
道を渡ればすぐにあるのが、「野中堂環状列石」です。
こちらは立体表示の建物も無く、すっきりした原っぱに環状列石だけが目立ちますね。
〝日時計〟――「日時計状組石」が目を引きます。
世界遺産の「大湯環状列石」と言えば、日時計!
……なんてイメージの方も、いるんじゃないでしょうか。
縄文時代に、日時計があったなんて!
「万座環状列石」にもありますよ。
もちろん、ガイドさんもお話してくれました。
……しかしこれ、冬になると倒れるんですって。
同じような石は、他にもたくさん並んでいます。
例えばほら。
これは再び「万座環状列石」です。
日に焼けた石の中で、見本として磨かれた緑の石が埋まっていますね。
この緑色は「大湯環状列石」の特徴ですね。
近くの川で拾った緑色の石に、こだわって作られています。
同じ秋田県の構成資産でも、北秋田市の「伊勢堂岱遺跡」ではカラフルな石を集めていましたね。
真逆な特徴です(*˙꒫˙* )
それはそうとこの石の形、大きさ……どうですか?
先ほどの「日時計状組石」と、割と似ていませんか?
……うーん。
冬になると倒れる組石……。
それ、本当に立っていたんでしょうか……?(´・ω・`)
――というのは、ガイドさんからお聞かせいただいた疑念ですが。
たまたま、大きい石を使った組石だっただけ……かも、しれない(´・ω・`)
結局、想像するしかないのです。
答えは星霜の闇に消えてしまいました。
そもそも「環状列石」って、わからないことだらけなのですよ。
「環状列石」についての本を読んでも、それぞれ好き勝手想像を巡らせているみたい。
もちろん、各自それなりに根拠は用意しているのですが、決定打には欠ける。
結局は「わからないことがわかった」としか言えないありさまです(。⌓°꒷꒦⎞
貝塚や漆工芸に比べて、物証は並んだ石だけですから……。
想像の余地がありすぎる。
でもその分、自由に思考を巡らせる楽しみもあるかもしれません。
アイヌの神話や漢字を手掛かりにしたり、脳科学から考えてみたり。
細かい数字を分析してみたり、太平洋の向こうにあるモアイ像を重ねてみたり……。
もうなんか、まとまりが無いのです。
それが、魅力でもあるのかもしれない。
環状列石は、難しい。
……でも、パッと見るだけで伝わってくる迫力はある。
作るのに費やされた労力なら、少しはわかります。
それに思いを馳せて、現地を見るだけでも楽しいものです。
景色も良いですし。
季節も感じられますよ。
「野中堂環状列石」では、赤とんぼの群れが立禁ロープに留まっていました。
わかるかな?
何回挑戦しても、一向に上手く撮れなかったんですよねぇorz
まあ、楽しい時間でした(((o(*゚▽゚*)o)))
……とはいえ。
全部紹介していたら、とんでもない分量になってしまいます。
ここは、二つの環状列石が「主体になった」遺跡。
他にも配石遺構群などがありまして……(。 ・`ω・´) キラン☆
お時間許す方は、ぜひ、くまなく歩いてみてください。
何気に潜む配石遺構が、遠くの山を望んでいますね!
結構大きいですよ、この配石遺構。
やはり環状列石だけじゃないんですね(*˙꒫˙* )
ガイドツアーでも全部は回らないので、前後に歩く時間が取れると良いですね。
凄い石の量ではないですか。
立禁ロープの無い石は、復元だった気がする(曖昧)
その代わり、本物では近づけないところまで近づけるわけです。
併せて見ると、環状列石の迫力がよりわかるかも(((o(*゚▽゚*)o)))
さて、いくちゃんもそろそろ帰ることにします。
少しずつ日も傾いてきました。
受付で、バスの時間を教えてもらって……。
十和田南駅から歩いてきたって言ったら、めちゃくちゃ驚かれました。
何とか帰れそうですね!
バス停で待ちます。
何だかバスが一つ行ってしまいましたが……まだかなり時間はあるし、このバスではないはず……。
ポケモンGoでもやって、ゆっくり待ちましょう。
いえーい、大湯ストーンサークル館の石碑、ギフト取り放題ー。
……そろそろかな。
遅いなぁ……。
――うん?
バス、来ないんだが!?:(´◦ω◦`):ガクブル
けいらん田中屋さんで〝けいらん〟を頂く
……送ってもらいました。
おかしいと思ってバス停の看板を見たら、気づいたのです。
時刻表の改定年月日が、印刷してもらった紙と違うではありませんか!。゚(゚^ิД^ิ゚)゚。
さっきのバスが、正真正銘の最終便だったのです!
これには受付の方も驚いてしまい、とても謝られました。
お詫びに駅まで送っていくからと、相談の末に先ほどのガイドさんに乗せていただくことに……。
せっかくなので、色々とお話を楽しみました。
ガイドさんはやはり知性派らしいのがわかった……。
せっかくなので、周辺の名物なども聞いてみました。
現地の方との交流、すなわち情報収集のチャンスですよ!
そうすると、どうやら〝けいらん〟を食べるべきではないか、とのこと。
……〝けいらん〟?
まるで鶏の卵のような響きですが、どうも違うようです。
お団子のお吸い物系郷土料理だとか……?
なんぞそれは?
せっかくだから連れて行ってくれる、とのことで、そのまま〝けいらん〟のお店に向かいます。
……しかし、どうもお休みのようです。
他のお店は知らないということで、残念ながらそのまま駅まで送ってもらいました。
待合室で聞いてみると良いと言われ、受付のお姉さまに聞くも……。
やはり〝けいらん〟は、そのお店以外思い当たらないと言うのです。
むう、そんなことがあるのか。
しかしここでお姉さま、色んなお店に問い合わせてくれました。
結局どこも取り扱いは無し。
そして、お休みだった例のお店に問い合わせると……。
――え?
臨時開業、してくれると。
そんなバカな!?
唖然としつつも、間違いなく私一人のために開いてくれるそうです。
まさかそんな。
びっくりすぎる……。
「けいらん田中屋」さんです。
お店の外観は撮っていませんでした:( ;´꒳`;)
駅から徒歩で10分の距離。
左側は味ご飯ですね、そして右側が〝けいらん〟のお吸い物です!
三つ葉が中身を覆い隠していますね。
――胡椒味の、甘い餡子とクルミの白玉団子が入っています。
んんん?
胡椒味の甘い、クルミの、白玉団子……?
ピリリと効いた香辛料が、良いアクセントになっていますね。
しかし、ちゃんと餡子の甘さもありますね。
……これは、他で食べたことの無い味。
独特で美味しいお団子のお吸い物ですね(*˙꒫˙* )
更に、他にもたくさん食べ物をくれました!
ふおわああああ、豪華すぎませんか。
美味しいよぉ(((o(*゚▽゚*)o)))
こちらは実は普段はカフェで、写真の「けいらん定食」もカフェのメニューですって!
息子さんだったかな、洋食屋さんをしているのだそう。
この日は休みでこちらを開けたけど、予約でお座敷もあるみたいです。
でも、そんなのどっちでも良いのですよ。
味に変わりはありません。
何より、直接お聞かせいただいたお話が素敵でした!
私一人のためにお店を開けてくれたのには、それなりに理由があるのですって。
実はこのけいらん、作り方がどんどん廃れているのだそう……。
本来はお祝いの時などにも食べる家庭料理で、一つずつ手でこねて作るはずのもの。
南部地方全域に伝わる郷土料理でありながら、地域によって少しずつ味に違いもあり。
胡椒を入れるのは鹿角(かづの)の味だとか。
でも、今では作る人はほぼいない。
子どもたちも知らずに育ってしまう。
だから店主の田中さんは、その伝道活動のようなものをされているのです。
地域の小学校で、けいらんの作り方を教えたり……。
いくちゃんのように、ふと訪れた旅人に振る舞ったり。
そうして、郷土の味を後世に伝えていきたい、と、活動されているのです。
だから、食べたいって人がいると、お休みの日でも開けずにはいられないのですって。
きっかけは、若かりし頃のヨーロッパ旅行……。
何代も前の文化を後世まで守り継ぐ精神性に、現地で衝撃を受けたのだとか。
だからこそ、自分も故郷でできることを見つけたい。
そうして田中さんは、けいらんを守り伝える活動を始めました。
今ではこの地域で、知らない人はいないことでしょう。
だってみんな、「けいらんと言えばあのお店だ」って、教えてくれていたわけですから。
お店は不定休のようなので、気になる方はお電話で聞くと良いかもしれません。
ネット予約などはありません。
もちろん、「大湯環状列石」とは、直接関係の無いことでしょう。
いくら〝昔から伝わる郷土料理〟だと言っても、縄文時代に白玉粉があったとは思えません。
胡椒だって無かったに違いありません。
それでも、鹿角の〝土地〟に少しでも触れるのであれば、これ以上ない選択肢の一つでしょう。
いくちゃんは、自信を持っておすすめできます。
何より、美味しいですからね!
すんなりバスに乗れていれば、知ることも無く通り過ぎていたことでしょう。
いやはや、旅の縁とは不思議なものです……。
鹿角市、とても良いところでした。
実は時期を改めれば、鹿角市には複数のユネスコ無形文化遺産もあるようです。
ここは世界に誇る文化遺産のまちなのですよ!
もちろん「大湯環状列石」も、見ごたえ満点でしたし、ね!
大湯環状列石のアクセスなど
☆ガイダンス施設
大湯ストーンサークル館
○バス・電車の場合
鹿角花輪駅(JR花輪線)
→秋北バス「大湯温泉」行き「大湯環状列石前」下車(約35分)
(または、駅からタクシー約25分)
○車の場合
十和田ICから約15分
◆観覧料:大人320円 小・中学生・高校生110円
◆開館時間:4月~10月:9:00~18:00、11月~3月:9:00~16:00
◆定休日:11月~3月の月曜日(祝・休日の場合は翌日)、年末年始(12月29日~1月3日)
☆遺跡見学
万座環状列石(※博物館に隣接)
野中環状列石(※万座環状列石から、道を挟んだ向かい側)
◆観覧料:無料
◆開館時間・定休日:4月~10月:9:00~17:30、
11月:9:00~16:00(月曜閉鎖)、
冬季閉鎖(11月中旬~4月中旬)
参考文献など
- 鹿角市教育委員会『鹿角市文化財調査資料77 特別史跡大湯環状列石(Ⅰ)』「第Ⅱ章 遺跡の調査と保存の歴史」2005年(https://www.city.kazuno.lg.jp/soshiki/shogaigakushu/bunkazai/gyomu/1/3/1383.html)
以下、2025年1月8日確認
- 「大湯環状列石 – 【公式】世界遺産 北海道・北東北の縄文遺跡群 (jomon-japan.jp)」
- 鹿角市教育委員会、縄文遺跡群保存活用協議会「特別史跡 大湯環状列石」(公式パンフレット)
- 鹿角市「大湯環状列石とは」
- 文化庁「日本の特別史跡」
- 「郷土の味「けいらん」を残したい!田中さんの熱い思いが伝える鹿角の伝統料理|鹿角求人&ローカルメディア『スコップ』 (scoop-scoop.jp)」
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