トランス・コンチネンタルサイト(=大陸を超える世界遺産)の第一弾になった世界遺産。
東京上野の「国立西洋美術館」は、世界遺産『ル・コルビュジエの建築作品:近代建築運動への顕著な貢献』の構成資産です。
ヨーロッパを中心に、インドや日本、南米のアルゼンチンまで含む範囲の広さ。
その中で「国立西洋美術館」は、日本に住む日本人にとって一番身近な構成資産!
千葉県千葉市を去るにあたり、直前に滑り込みで行ってきました。
今回も一人旅!
相っ変わらずやらかしが酷いけど、相っ変わらず楽しかったよ……!
財布を忘れて美術館
![](https://ikuchan-column.online/wp-content/uploads/2024/06/KIMG4858-1024x576.jpg)
実はいくちゃん、一年以上前にデビューしていたのです。
スマホで交通ICアプリ……!
たまたま東京行って、一々切符買っていたら同行者にめっちゃ迷惑かけてる! ってなって!
都会であれば、これでまず確実にペーパーレスに参画できます。
素敵ですよね。
でも、財布忘れても、気づけないんですよ。
……そんなわけでJR総武線に揺られ、東京駅で乗り換えて間もなく。
「ここが、上野か……!」
人混みに翻弄されながらも駅から歩き、目に入ったのが四角い建物。
世界遺産大事典で見慣れた「国立西洋美術館」の本物……!
こちらは世界遺産『ル・コルビュジエの建築作品:近代建築運動への顕著な貢献』の一部。
その中でも最も新しい建物だけあって、ル・コルビュジエの世界観を一番表している構成資産の一つですね……!
![](https://ikuchan-column.online/wp-content/uploads/2024/06/KIMG4886-1024x576.jpg)
まだ開館前だったので、建物の前をわくわくとうろちょろします。
この時点でいくちゃんは、重要な失敗にまだ気づいていません(笑)
(ちなみに、上の写真はお昼頃ですが、開館前はだいぶ並んでいました)
園内にはオーギュスト・ロダンの作品がたくさんありますね。
こんなの初めて目の当たりにしました……!
![](https://ikuchan-column.online/wp-content/uploads/2024/06/KIMG4861-1024x576.jpg)
地獄の門はあまり上手く撮れなかったので、敢えてアップで載せることはしません。
ぜひ現地で見てください。
すごいよ。
当たり前ですけど、やはり目の当たりにするって特別なことですね。
これが第一線の彫刻作品か、と。
でもまあ、世界遺産になっているのは建物ですからね。
美術品はついでです、ついで。
ほら、見てくださいよこれ!
国立西洋美術館の建物
![](https://ikuchan-column.online/wp-content/uploads/2024/06/KIMG4862-1024x576.jpg)
このコンクリートの柱!
建築作品にコンクリートを取り入れたのは、非常に先鋭的なんですよ。
でも、ル・コルビュジエさんはコンクリートの可能性に気づいた。
石の建物は、壁で自重を支える必要があります。
一方で鉄筋コンクリートは、柱で支えられるから壁が自由です。
何なら壁が無くても行けます。
だから使ったのです。
自由な平面や、広い水平連続窓を可能にしたのです。
しかもこの柱、なんか温かみがある模様なんですよ。
ル・コルビュジエさんは、モダニズムの冷たい合理主義とは対極的な、調和を重んじる様式を好みました。
螺旋状の設計は貝殻の絵柄とともにスケッチされ、あらゆる寸法は自身のプロポーションを元に計算しました。
目指したのは、「機械文明の第二時代である『調和の時代』」。
この辺についての話は、現地で買った『未完の美術館』が詳しかったですね。
コンクリートと言うと、無機的な印象が強くなりがちかもしれません。
でもル・コルビュジエさんは形が自由なコンクリートだからこそ、敢えて有機的なデザインを積極的に取り入れたんですね。
だからコンクリートにも、型枠の木目模様が表れているのです。
そういう目で見ると、ほらこんなところにも。
![](https://ikuchan-column.online/wp-content/uploads/2024/06/KIMG4863-1024x576.jpg)
密な川原石を貼ったデザインは、石造建築時代には無かった装飾ではないでしょうか(想像)。
いかにもコンクリート! ってデザインはもちろん、それだけに終わらない自然由来のモチーフ!
でもこれを貼りつけられるのも、コンクリートだからこそじゃない?
おおっ、これが、国立西洋美術館……!
開館前の入口は長蛇の列でしたが、こんなところまで見て回っているのはいくちゃんだけですよ。
誰もわざわざ回り込まないって。
それに、このピロティですよ。
![](https://ikuchan-column.online/wp-content/uploads/2024/06/KIMG4864-1024x576.jpg)
ピロティは、建物の一階の壁が取り払われて、柱だけになった空間です。
当然鉄筋コンクリートが出てきたからこそ、実現できた自由な設計。
ル・コルビュジエさんの代表的な功績の一つですね。
重々しく壁で支えていた石造の建物と違い、下部に開放的な空間が生まれることで、軽やかな印象を見る者に与えます。
もちろん、使い方も自由自在。
元々柱だけで重さを支えられるように出来ているから、薄い窓ガラスなども問題なく使い放題。
全面ガラス張りだってできちゃいますね。
これも鉄筋コンクリートだからなのです。
でもコンクリートが使えるからって、いきなりこんなこと考えるのは普通は無理。
既存の概念に囚われて当たり前ですよ。
![](https://ikuchan-column.online/wp-content/uploads/2024/06/KIMG4865-1024x576.jpg)
それにしても、なんだか見ていて落ち着きますね。
これは、単に愛着の問題なのかな……?
それともル・コルビュジエさんの力なのかな。
でもね、本当はこんなこと言っている場合じゃないんですよ。
ええ、気づいていなかったんですけどね。
この時はまだ……ww
これは、地下室への道だろうか?
良い感じですね、わくわくする。
重大な失敗に漸く気づく
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はい、そろそろ行きましょう。
既に開館時間は過ぎていますね。
みんな徐々に手続きを済ませ、入館を始めているようです。
せっかくなので、常設展と特別展を両方見ることにして……。
チケットは2000円!
ちょっとお高いけど、仕方ないなあ……と、鞄を漁って漸く気づきます。
ええ、皆さまもうお分かりですね。
財布が無いんです。
……ここまで来て、期待を煽りまくって、財布が無い。
千葉まで取りに帰るべきだろうか?
まだ総武線に乗って往復するのか……?
それは物凄く気が乗らないw
チケット売り場の周囲をうろうろしつつ、決済手段の表示を探すも……。
これはもしや、バーコードやQRコードは非対応だろうか?
恐る恐る聞いてみました。
「ここって現金だけですか……?」
答え、NO!
ありがとう都会の電子決済文化!
まあそれが無かったら、そもそも財布忘れて上野まで辿り着けないけど!
交通IC系は対応していたようです。
……うわぁ、うわー!
交通IC系かあー!
いくちゃんは基本、家計簿アプリと連携している都合で、交通IC系は交通費以外に使わないんですよ。
あれってチャージする時に計上されちゃうから、用途が混ざると面倒なんですよね。
でも、対応しているのはそれだけです。
当然カードも手元に無いし、調べたらスマホでATMが使えるサービスとかも無いし。
うわあー!
悩んでうろうろ、またうろうろ……でもやっぱり中も見たい!
ここで往復しに戻るのもつらいし、ここは使ってやりますよ!
スマホアプリ版PASMOをなあっ!( ・´ー・`)b
――なんですが。
ここからは、写真掲載ができません。
問い合わせたら、営利でなければOKとのこと。
……営利かぁ。
このサイト、Google Adsense入れてるじゃん?(自動広告ね)
おまけに、参考文献の商用リンク載せてるじゃん?(一度も利益が出たことはないが)
念のため、避けておこうかなあと。
でもね、すごく良かったんですよ。
展示物も良かったけど、建築物も良かった。
ここまでで興味の湧いた方は、ぜひ内部にも足を運んでみてね。
おすすめできるよ( ・´ー・`)b
国立西洋美術館のアクセスなど
- JR上野駅下車(公園口出口)徒歩1分
- 京成電鉄京成上野駅下車 徒歩7分
- 東京メトロ銀座線、日比谷線上野駅下車 徒歩8分
※駐車場はありません
◆開館時間:9:30~17:30(金曜・土曜日 9:30~20:00)
◆休館日:毎週月曜日(祝日または振替休日の場合は、翌日)、年末年始(12月28日〜1月1日)、その他臨時休館日
◆常設展入館料:一般500円、大学生250円
※館内に食事処あります
主な参考文献など
- 国立西洋美術館 (nmwa.go.jp)(2024年6月30日閲覧)
- ロバート・マクシミリアン・ヴォイチュツケ『未完の美術館』2023年
- 八束はじめ『ル・コルビュジエ』2022年
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