トランス・コンチネンタルサイト(=大陸を超える世界遺産)の第一弾になった世界遺産。
東京上野の「国立西洋美術館」は、世界遺産『ル・コルビュジエの建築作品:近代建築運動への顕著な貢献』の構成資産です。
ヨーロッパを中心に、インドや日本、南米のアルゼンチンまで含む範囲の広さ。
その中で「国立西洋美術館」は、日本に住む日本人にとって一番身近な構成資産!
千葉県千葉市を去るにあたり、直前に滑り込みで行ってきました。
今回も一人旅!
相っ変わらずやらかしが酷いけど、相っ変わらず楽しかったよ……!
財布を忘れて美術館
実はいくちゃん、一年以上前にデビューしていたのです。
スマホで交通ICアプリ……!
たまたま東京行って、一々切符買っていたら同行者にめっちゃ迷惑かけてる! ってなって!
都会であれば、これでまず確実にペーパーレスに参画できます。
素敵ですよね。
でも、財布忘れても、気づけないんですよ。
……そんなわけでJR総武線に揺られ、東京駅で乗り換えて間もなく。
「ここが、上野か……!」
人混みに翻弄されながらも駅から歩き、目に入ったのが四角い建物。
世界遺産大事典で見慣れた「国立西洋美術館」の本物……!
こちらは世界遺産『ル・コルビュジエの建築作品:近代建築運動への顕著な貢献』の一部。
その中でも最も新しい建物だけあって、ル・コルビュジエの世界観を一番表している構成資産の一つですね……!
まだ開館前だったので、建物の前をわくわくとうろちょろします。
この時点でいくちゃんは、重要な失敗にまだ気づいていません(笑)
(ちなみに、上の写真はお昼頃ですが、開館前はだいぶ並んでいました)
園内にはオーギュスト・ロダンの作品がたくさんありますね。
こんなの初めて目の当たりにしました……!
地獄の門はあまり上手く撮れなかったので、敢えてアップで載せることはしません。
ぜひ現地で見てください。
すごいよ。
当たり前ですけど、やはり目の当たりにするって特別なことですね。
これが第一線の彫刻作品か、と。
でもまあ、世界遺産になっているのは建物ですからね。
美術品はついでです、ついで。
ほら、見てくださいよこれ!
国立西洋美術館の建物
このコンクリートの柱!
建築作品にコンクリートを取り入れたのは、非常に先鋭的なんですよ。
でも、ル・コルビュジエさんはコンクリートの可能性に気づいた。
石の建物は、壁で自重を支える必要があります。
一方で鉄筋コンクリートは、柱で支えられるから壁が自由です。
何なら壁が無くても行けます。
だから使ったのです。
自由な平面や、広い水平連続窓を可能にしたのです。
しかもこの柱、なんか温かみがある模様なんですよ。
ル・コルビュジエさんは、モダニズムの冷たい合理主義とは対極的な、調和を重んじる様式を好みました。
螺旋状の設計は貝殻の絵柄とともにスケッチされ、あらゆる寸法は自身のプロポーションを元に計算しました。
目指したのは、「機械文明の第二時代である『調和の時代』」。
この辺についての話は、現地で買った『未完の美術館』が詳しかったですね。
コンクリートと言うと、無機的な印象が強くなりがちかもしれません。
でもル・コルビュジエさんは形が自由なコンクリートだからこそ、敢えて有機的なデザインを積極的に取り入れたんですね。
だからコンクリートにも、型枠の木目模様が表れているのです。
そういう目で見ると、ほらこんなところにも。
密な川原石を貼ったデザインは、石造建築時代には無かった装飾ではないでしょうか(想像)。
いかにもコンクリート! ってデザインはもちろん、それだけに終わらない自然由来のモチーフ!
でもこれを貼りつけられるのも、コンクリートだからこそじゃない?
おおっ、これが、国立西洋美術館……!
開館前の入口は長蛇の列でしたが、こんなところまで見て回っているのはいくちゃんだけですよ。
誰もわざわざ回り込まないって。
それに、このピロティですよ。
ピロティは、建物の一階の壁が取り払われて、柱だけになった空間です。
当然鉄筋コンクリートが出てきたからこそ、実現できた自由な設計。
ル・コルビュジエさんの代表的な功績の一つですね。
重々しく壁で支えていた石造の建物と違い、下部に開放的な空間が生まれることで、軽やかな印象を見る者に与えます。
もちろん、使い方も自由自在。
元々柱だけで重さを支えられるように出来ているから、薄い窓ガラスなども問題なく使い放題。
全面ガラス張りだってできちゃいますね。
これも鉄筋コンクリートだからなのです。
でもコンクリートが使えるからって、いきなりこんなこと考えるのは普通は無理。
既存の概念に囚われて当たり前ですよ。
それにしても、なんだか見ていて落ち着きますね。
これは、単に愛着の問題なのかな……?
それともル・コルビュジエさんの力なのかな。
でもね、本当はこんなこと言っている場合じゃないんですよ。
ええ、気づいていなかったんですけどね。
この時はまだ……ww
これは、地下室への道だろうか?
良い感じですね、わくわくする。
重大な失敗に漸く気づく
はい、そろそろ行きましょう。
既に開館時間は過ぎていますね。
みんな徐々に手続きを済ませ、入館を始めているようです。
せっかくなので、常設展と特別展を両方見ることにして……。
チケットは2000円!
ちょっとお高いけど、仕方ないなあ……と、鞄を漁って漸く気づきます。
ええ、皆さまもうお分かりですね。
財布が無いんです。
……ここまで来て、期待を煽りまくって、財布が無い。
千葉まで取りに帰るべきだろうか?
まだ総武線に乗って往復するのか……?
それは物凄く気が乗らないw
チケット売り場の周囲をうろうろしつつ、決済手段の表示を探すも……。
これはもしや、バーコードやQRコードは非対応だろうか?
恐る恐る聞いてみました。
「ここって現金だけですか……?」
答え、NO!
ありがとう都会の電子決済文化!
まあそれが無かったら、そもそも財布忘れて上野まで辿り着けないけど!
交通IC系は対応していたようです。
……うわぁ、うわー!
交通IC系かあー!
いくちゃんは基本、家計簿アプリと連携している都合で、交通IC系は交通費以外に使わないんですよ。
あれってチャージする時に計上されちゃうから、用途が混ざると面倒なんですよね。
でも、対応しているのはそれだけです。
当然カードも手元に無いし、調べたらスマホでATMが使えるサービスとかも無いし。
うわあー!
悩んでうろうろ、またうろうろ……でもやっぱり中も見たい!
ここで往復しに戻るのもつらいし、ここは使ってやりますよ!
スマホアプリ版PASMOをなあっ!( ・´ー・`)b
――なんですが。
ここからは、写真掲載ができません。
問い合わせたら、営利でなければOKとのこと。
……営利かぁ。
このサイト、Google Adsense入れてるじゃん?(自動広告ね)
おまけに、参考文献の商用リンク載せてるじゃん?(一度も利益が出たことはないが)
念のため、避けておこうかなあと。
でもね、すごく良かったんですよ。
展示物も良かったけど、建築物も良かった。
ここまでで興味の湧いた方は、ぜひ内部にも足を運んでみてね。
おすすめできるよ( ・´ー・`)b
国立西洋美術館のアクセスなど
- JR上野駅下車(公園口出口)徒歩1分
- 京成電鉄京成上野駅下車 徒歩7分
- 東京メトロ銀座線、日比谷線上野駅下車 徒歩8分
※駐車場はありません
◆開館時間:9:30~17:30(金曜・土曜日 9:30~20:00)
◆休館日:毎週月曜日(祝日または振替休日の場合は、翌日)、年末年始(12月28日〜1月1日)、その他臨時休館日
◆常設展入館料:一般500円、大学生250円
※館内に食事処あります
主な参考文献など
- 国立西洋美術館 (nmwa.go.jp)(2024年6月30日閲覧)
- ロバート・マクシミリアン・ヴォイチュツケ『未完の美術館』2023年
- 八束はじめ『ル・コルビュジエ』2022年
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